私はこれまで、これといった趣味がない人生を過ごしてきました。
いえ、全く趣味がなかったわけではないのです。
子供の頃はイラストや漫画を描くことが好きだったから、将来は漫画家を目指していたし(高校生の頃は雑誌に投稿し賞をもらっていたことも)、社会人になってからもエアロビクスをしたり、アウトドアや登山をしていたこともありました。
最近では刺し子にはまって黙々と刺していたこともありましたが、一貫して言える事、それは飽きっぽいということ( ;∀;)
自分でもそれがよくわかっているだけに、道具を一式揃えても飽きれば放置・・・ということは目に見えているので、
「やってみたいな、興味はあるんだけどな・・・でもやめておこう・・・」
と、やる前から飽きるからやめておこうと諦めてしまうようになりました。
やってみないと飽きるかどうかなんてわからないのですけどね。
子育てを趣味として生きてきてしまった結果
ただ子供が生まれてから数年前までは、趣味がない人生でも全く問題がありませんでした。
なぜなら、子育てが趣味だったからです。
子供と一緒にいることは、想像していたよりもずっと楽しく、面倒くさがりな私でも子供のためならと思えばなんでも我慢できたし、そもそもそれを我慢とも思わなかったし。
2015年の春、長男が大学に入学するために家を出て一人暮らしを始めました。
この長男がまた生まれてきてから、いえお腹にいる時からずっと手がかかった子供。
でも今思えば、生まれてからずっと反抗期ではあったけれど(笑)、いわゆる一般的な反抗期というものがなく、母親の私と一緒に買い物に行くのも全く嫌がりませんでした。
高校生の授業参観でも私を見つけるとニコッと笑ってくれるような男の子だったので、手はかかったけれど母性本能は存分に満たせてもらった気がします。
かたや長男から4歳離れた次男は、子供の頃から手がかかったことが全くない子でした。
人の話を十二分に理解でき、学校の先生からの信頼も厚く、成績も優秀だったため「自慢の息子」でした。
しかしそんな自慢の息子は精神的な自立も早く。
中学三年生の頃、買い物に行った時に私より数メートル後ろを歩いているので止まって待っていたところ、次男もその場で止まり一定の距離を保ったまま。
しばらくそんなことをしていたので不思議に思っていたのですが、それが
「私から離れて歩きたい」
と知った時のショックったら!!
冷静に考えてみれば中学三年生の男子なら、母親と買い物をしているところを誰かに見られたら恥ずかしいに決まっているし、離れて歩きたい気持ちもよくわかります。
しかし我が家は幸か不幸か、長男が先ほども書いたような様子だったため、次男の思春期・親離れに全く気付かなかったのでした。
長男は大学の受験勉強もリビングのすぐ隣の和室でやっていました。
これは長男が小学生の頃に人気だった陰山英雄さんの教えによるもので、親の目が届く場所で勉強をさせるのが良いということをずっと実行し続けた結果です。
さすがに私も自室で勉強したら?と言ったのですが、本人がここでいいというので実はちょっと嬉しく思ったものでした。
しかし次男は高校に進学した途端、さっさと自分で机を自室に運んで行き、家にいても顔を見ることがなくなっていったのでした。
これ、本来なら普通のことなのでしょうが、とにかく子供一筋に生きてきて、長男も一般的な男の子の成長とはまたちょっと違っていて、その結果、突然私の日々のささやかな幸せが一気に崩れ去っていったのです。
大袈裟なようですが本当にそう感じました。
これまで勉強机が置いてあった場所のカーペットが凹んでいる部分を見て、何度涙が込み上げてきたことか。
これが、子供を生きがいにしてきた結果です。
ペットでも飼おうかな
子供に親離れをされ、残された母親はその心の穴をどうやって埋めたらいいのか?
手っ取り早く考えればペットでしょう。
運よく行けば、子供よりもペットを可愛いと思うようになるかもしれません。その時の私にとってはむしろその方が良いとすら思いました。
とにかく、この心にぽっかりと開いた穴を何かで埋めたかった。そのためにペットを飼うのは申し訳ないとも思ったけれど、このままでは寂しくてどうにかなりそうだったので。
その後何度も何度もペットショップに通いましたが、可愛いなと思う子はたくさんいても、じゃぁそれをうちに迎え入れようかとなると躊躇してしまう自分がいます。
欲しい、だけどそこまでの勇気が出ない。
そもそも生きているものを迎え入れて、私が最後まで面倒を見られるのだろうか?
飽きっぽい性格がよく分かっているだけに、ペットに対してもそんな気持ちになってしまったらどうしよう、と二の足を踏んでしまうのでした。
将来のことを考え始めた筋トレにはまった!
寂しい、ペットを飼いたい、でも飼えるかどうか不安・・・
そんな気持ちのまま過ごしていたある日、ある雑誌に出会いました。
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50代をターゲットにしたこの雑誌は、これまで雑誌に全く興味がなかった私の心をがっちりとつかみました。
その時の特集は「今すぐできる大人の筋活」で、私たちの年代からこそ筋トレが必要、という事を強く訴える内容でした。
正直、この雑誌を購入した時には「筋トレなんて無理」と思っていました。元々運動は苦手だし、筋トレなんて苦しいだけだし。
でも何度か手に取り読み返しているうちに、なぜ私たちの年代にこそ筋トレが必要なのか、筋トレをしなかったらどんな未来が来るのかということをわかりやすく、そして恐ろしくリアルに想像が出来てしまったのです。
試しに書かれていることをやってみると、できる筋トレもあれば辛い筋トレもある。辛いということはそこが衰えていること。このまま行ったらこの先・・・
それからは本格的に自宅で筋力トレーニングをするようになりました。
ジムに通うつもりが併設しているホットヨガに夢中に
私が自宅で行っていたのは「スロトレ」というもの。
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地道にコツコツ続けることは得意なので、「三ヶ月で体が変化してくる」という言葉を頼りに週に2~3回続けました。
そして三ヵ月後、「もっと機械を使って筋トレしてみたい!」という気持ちに変わったのですから・・・人は変わるというか単純というか(笑)
そこで家から通えるジムをいくつか見学させてもらい、現在のホットスタジオを併設するジムに入会しました。
この時点でもジムしかやらないつもりだったのですが、ジム会員とジム内の施設を全部使える会員と料金がさほど変わらなかったので、オール会員に決めました。
それが今では毎日ホットスタジオに通うほどになってしまったのですから!!
何がどう変わるかなんてわからないものですね。
そして今の私ははっきりと
「趣味はヨガです」
と答えられます。
趣味があるっていいですね。生活にメリハリが出て毎日が楽しくなりました。
自分の趣味を持つことは子供の為にもいい事
本来の目的であった「子供が親離れしていった心の隙間を埋めてくれたか」ということですが、それはそれ、これはこれということでしょうか。
やっぱり寂しいのは寂しいし、でもこればかりはいつまで言っていても仕方がない事だし。
ただ思うんです。
子供にとっても親が趣味を持って生き生きしていたほうが楽だろうなと。
外に目を向けられないからどうしても子供の目が行ってしまう、私はそれが幸せだったけれど、もしかしたら子供にとっては窮屈なことだったかもしれません。
それと自分の親を見ていても思うのですが、「親に依存されているな」というプレッシャーを子供に与えてはいけないな、ということ。
私の親はおかげさまで健在ですが、子供に依存する気持ちが強く(経済的なこと以外です。精神的なこと)、子供だから親孝行として聞いてあげなきゃ・・・と思う反面、正直うんざりすることもあります。
私はそうならないようにと親を反面教師にして自分の子供に接してきたつもりですが、子供にばかりつい目が行ってしまうというところは親と似ています。
親が趣味を持ってくれたら、どんどん外に出ていろんな人と接してくれたら、と思うことが何度もありました。
でもそれは自分にも言える事。
家にばかりいて、子供が趣味と豪語して子供を縛り付けているのでは?と気づいてしまったのです。
だから私もやっと子育てを一段落して、これからはもっと外に目を向けて行こうとした矢先にヨガに出会えた・・・というわけです。
ん?目を向けようとしたのが先か、それともヨガが楽しくなったから外に向くようになったのか?
今となってはどちらが先かわかりませんが・・・
何でも考え込む性格の私は、ヨガを始めるにあたってかなり悩みましたが、今はあの時思い切って扉を開けて良かった!と心から思っています。