3年使った電子レンジが、突然壊れました。
いつも通りにおかずを温め直ししていただけなのですが、庫内で大きな音がして運転が停止。驚いて扉を開けてみると、電子レンジの底が放射状に割れていました。
突然のことにしばし茫然としましたが、今後こんなことのないように原因をしっかり追究したいと思いました。また修理できるのであれば修理して長く使い続けたい・・・とも。
サービスセンターに連絡してやりとりし、原因を探ってみました。
電子レンジの底が割れた経緯
今回、電子レンジの底が割れたのは「東芝過熱水蒸気オーブンレンジ 「石窯ドーム」(26L) ER-MD8-W グランホワイト (ERMD8W)」でした。
購入したのは2015年で、すでに生産も終了しているものです。それまで使っていた電子レンジを息子が一人暮らしをするにあたり譲ったため(レンチン機能しか使わないので)、これを機会に庫内の大きいものに買い替えたのです。
ほどよいサイズ(26L)は今の暮らしにピッタリだし、あれこれ機能がついていても使わないので、ケーキが焼けてスチームが使えて、電子レンジのワットを切り替えられて(それまでは500wのみしか使えなかった)と、我が家の使い方に十分な機能を備えた電子レンジでした。それがまさか突然壊れるなんて。
前日作った中華丼を温めている時だった
使い続けて3年目、それはある日突然おきました。
前日の夕飯に作った中華丼の具をを温めようとしたときのことです。いつものように600wで3分でセットしていた時、突然レンジの中から「ボンッ!」という音がしました。
中華丼にはラップがしてあったため、加熱によりラップがはじけたのだと思いました。よくあることです。
しかしそれにしてはいつもに比べて音が大きかったし、何より「ボコンッ」というような、ただ単にラップがはじけたのではないというただならぬ雰囲気がする音でした。
でも扉を開けてみると、そこは想像していた以上に最悪な状態になっていたのです。そう、電子レンジの底が割れていたのです。
庫内は容器が横に倒れて中華丼の具が散乱していましたが、容器は全くの無傷でした。それとは対照的に電子レンジの底は放射状に見事に割れています。
原因を自分なりに探ってみた
惨憺たる状況を見て、残念ながらこれを修理で同行するのは無理だろうなと感じました。保証期間が過ぎていることもありますが、有償修理するなら買い替えてしまった方が安いだろうなと思ったのです。
時間が遅かったため、サービスセンターに電話が出来なかったため、なぜ底が割れたのか?その原因を知ることはできません出したが、ネット上に同じような状況はないかと探してみることに。
すると、数は少ないながらもいくつか見つかりました。そしてその方たちに共通しているのが、「温めたものの中に卵が入っていた」ということでした。
おでん
ネットで探した中で、割れたという情報が一番多かったのはおでんでしょうか。
おでんを温めるために電子レンジにかけたところ、ボンッと破裂音がして開けてみるとレンジの底が割れていた・・・というのが原因になっていました。
ところで今回私が温め直したのは中華丼の具。中華丼の具と言えばうずらの卵が入っています。普通の卵に比べれば小さいですが、うずらの卵が庫内で破裂して電子レンジの底が割れた、と考えられます。
ただ、温め直した中華丼の具の中にうずらの卵は入っていませんでした。
前日食べた時には入っていましたが、中華丼の具の中でうずらの卵は人気の具材なのでその日のうちに食べ終わってしまっていたのです。
ということで、電子レンジの底が割れた原因はうずらの卵ではない、ということになります。
温め直した時に入っていた中華丼の具を一応書き出してみます。
- 豚肉
- 白菜
- ネギ
- 人参
- 生姜
そして残った中華丼の具を入れていた器ですが、いつも小どんぶり代わりに使っているカフェオレボウルです。シチューやカレーなど、汁気のある残り物を入れるのに使っています。そのまま温めて食べられるので、容器に移すよりも便利なのです。
装飾が施された食器
さて、今回のようなことの原因としてもう一つ挙げられることがあります。それは、食器に金や銀などの装飾が施されている場合です。
電子レンジはマイクロ波が水分子を振動させることにより摩擦熱が生じ、これにより食品を加熱できるという特性があります。
そこに金属のもの(器の金属の絵付け以外にアルミホイルなど)を入れると、電流が発生し大変危険です。
多くは火災が発生するというようなことのようですが、いずれにせよ電子レンジの故障に繋がると言ってもいいでしょう。
ただ今回使用したものは、さきほども書いたようにシンプルな陶器のカフェオレボウルで、これまでにも何度もレンチンで使って何の問題もなかったもの。
底が割れた原因はいったいなんだったのか、ただただそれが知りたいのです。
サービスセンターに連絡
レンジの底が割れたのは夜だったため、サービスセンターはすでに受け付けは終了しており、翌日まで待ちました。
次の日電話をしたところ、「対応が込み入っているためこちらから折り返し連絡をします」とのこと。電話をしたのは午前中でしたが、その日の午後に連絡がきました。
丁寧な対応をしていただきましたが、結局のところサービスセンターでは何の解決にもならず、担当地区のサービス窓口に連絡をとり、そちらからまた電話がかかってくるとのこと。
担当地区サービス係から電話にもやもや
翌日、朝一番で私の住む地域のサービス営業担当者から電話がありました。最初の電話から申し伝えられたことの確認作業から始まりましたが、結局のところ実物を見ないことには判断ができないとのこと。
でも判断と言っても私が望んでいることはただ一つ。次にこんなことが起きないように今回の原因を知りたい、ということ。
保証期間は過ぎているから修理するにしても結構な料金がかかるだろうし、だったらもともとそんなに高価なレンジではなかったので、同等のものに買い替えたほうがいいし、サービスに連絡をしたのはただ原因が知りたい一心でした。
ただ一つ、担当営業マンの何気ない言葉を聞き逃せませんでした。
「一度そちらに伺って現物を見てみないことにはわからないのですが、その際出張旅費がかかることもありますのでご了承ください」
もちろん手間をかけてやってきてもらうわけですから、出張旅費がかかるというのも致し方ないことだというのは十分理解できます。そこで確認として聞いてみました。
「出張旅費がかかるかもということですが、かからないこともあるのですか?」
その質問に対し
「見てみないことには何ともいえません」
という返事。
確かに、故障の原因がメーカー側にあるとなった場合は出張旅費もかからないのかもしれません。しかし、何度か確認しても、どういった段階で出張旅費の有無が決まるのかという明確な基準が見えてきません。
電子レンジは直りません(もしくは修理をしても高額)・その上出張旅費(ちなみにかかった場合は6,000円と言われました)はかかる・・・では、何度も言うように新しいものを買ってしまった方がてっとり早いです。
私がサービスセンターに連絡をしたのは原因を追究したかったこともありますが、「今後の日本メーカーの未来のため」という、少々出しゃばり過ぎたことかもしれませんが、海外メーカーに押され気味の日本企業に再び光があたるように、そのためにはこういった一つ一つを解決していくことが未来に繋がっていくと強く感じていたからなのです。
ただそのために6,000円もの出張旅費がかかるというのはちょっと納得がいきません。このまま平行線が続くようならばこのまま電話を切って終わりにしようかと思い始めた頃、担当の方が所長と話をして、今回だけはありがたいことに無料で来てくれるということになりました。
ただ、最後まで引っかかったのが、私がはっきりと聞くまで「6,000円かかります」という具体的な数字が出てこなかったこと。もし聞かなければ、家に来てから出張旅費を請求されたかもしれません。そう考えるとゾッとします。
今回特に引っかかったのが、その営業所だけの傾向なのかどうかわかりませんが、担当の方も所長もはっきり言うことを避ける傾向がありました。これは信頼問題としてどうかと思います。
私はしっかりと確認したからいいですが、例えばこれが高齢の母が電話をかけたとしたら、きっとそこまでの確認はできなかったでしょう。そしてその場で旅費を請求されて支払っていたかもしれません。
今回に限りませんが、その都度疑問に思ったことは遠慮なくしっかりと確認するということはとても重要だということを再確認させられました。
底が割れた電子レンジを見に来てもらった結果
営業所のご厚意で足を運んでいただき、担当の方に割れた電子レンジを見ていただいたところ、私の印象としては少々驚いているような印象を受けました。
こう言った事例は初めてのことだったように見受けました。
写真を撮り工場に依頼をするということだったので、「もしよかったら電子レンジを持って行って見てもらった方がより原因がわかるのではないですか?」と提案してみました。
その提案に営業の方も1度は賛成してくれましたが、一応所長に確認の電話を入れたところ「写真だけでいい」と言われたのだそうで却下となりました。
素人考えからすると、写真で検討するよりも現物を見たほうがより原因解明がしやすいのでは?と思ったのですが、ここは所長判断にまかせることに。
工場とのやり取りがあるということなので結果がわかるまで2~3日かかるとのこと、それに関して担当の方からは申し訳ない等の言葉をかけていただきました。とても人間味のある方でありがたかったです。
そして数日後、所長から直接電話がかかってきました。結論はこう。
- 割れた原因はわからない
- もしかしたら元々小さな亀裂が入っていたのかもしれない
- 対応としては代替品を販売する
- とはいえ同じものはもうないので、後継機種を28,550円で売る
電話口で話を聞きながら伝えられた機種を検索しました。「過熱水蒸気オーブンレンジ 石窯ドーム ER-RD8-W 26L」というものです。
amazonで見ると値段は34,085円(※2018年7月時)。交換として出された案件と比べると5,000円程度安い提案です。
私一人で決めても良かったのですが、一応主人に確認をした方がいいかと思い、「返事は後日でもいいですか?」と聞いたところ「それでもいいが土日は休みなのでその分出荷が遅れますがいいですか?」というようなことを言われました。
この言葉で決心がつきました。それまでも所長の言葉のそこかしこに誠意のなさを感じてはいたのですが、最後の言葉でそれをはっきりと認識したのです。
日本の企業の未来のために・・・などと素人の主婦が考えてどうあがこうと、企業の未来などすでに決まっているのかもしれません。
この時点で私にできることはただ一つ。これ以上迷惑をかけないように速やかに去ることだけ。感謝の言葉を述べて提案をお断りしました。
この言葉に対して所長の言葉は間髪入れず「わかりました。いろいろご迷惑をおかけしました。それでは」とあっさりしたものでした。
もしかしたら私の一連の行動が営業所サイドには「クレーマー」と映ったのかもしれません。だとしたらとても悲しいことです。私はただ原因を知りたい、そして日本の電化製品に再び脚光を浴びる未来を・・・と思ってのことだけでしたが。
そして申し訳ないですが、1営業所の所長の言葉で全てをわかったようなことを言う気はありませんが、今回のことでこのメーカーのものを今後選ぶことはないだろうと思いました。
値段が高い・安いは人の判断それぞれですが、私がこれまで一番大事にしてきたことは、「購入までの経緯」。気持ちよく購入できること、それが私の買い物のモットーです。
残念ながら今回はとてもそれには至りませんでした。
提案された値段は多少安かったわけですが、だったら自分が納得して、そして購入までの経緯が気持ちよくそこに至ったものを選びたいと思います。いつもの通りのことではありますが。
電子レンジが割れた原因と対処法
今回のことをまとめてみます。まず電子レンジの底が割れた原因ですが、うちの場合ですが結局原因はわかりませんでした。
ただ一般的な原因としては
- 温め直したものの中に卵が入っていた
- 器に金属の装飾が施されていた
- 小さな亀裂が入っていた
ということが考えられるそうです。うちの場合は卵でも装飾でもないので考えられるとしたら亀裂が入っていたということになりますが、庫内を拭き掃除した時など、指先に亀裂を感じたことはありませんでした。
よって結局原因不明のまま。
正直、今後電子レンジを買い直して使うのが今はちょっと怖いです。
というのも、電子レンジの底が割れた時の、あの「ボコンッ!」という音が今でも耳の奥に残っていて、ちょっとした恐怖に感じているから。
原因がわかれば今後気をつけることもできますが、それができないだけに今後電子レンジを使うたびにトラウマになりそうです。
また修理に関してですが、割れた部分をそっくり取り替えることは可能だということ。ただ製造年数も関係してくるので、古い場合は期待しない方がいいでしょう。
結局、泣き寝入りのようになってしまったことは残念でなりませんが、まぁこういうこともあるでしょう。あまり深く考えないようにしたいと思います。
いただいたコメントより原因を探る
この記事を書いたのは2018年7月のことでしたが、今でも検索してたどり着いていただくことが多く、この件に関して私と同じような状況にあった方が多いことを知りました。
そして、ありがたいことにコメントで原因を考えてくださることも多く、本当に感謝しています。
そのコメントから見えてきた原因を探ってみます。
家電メーカーで勤務している物になります。
今回の原因がどうしても知りたいという事でしたのでコメントさせて頂きます。原因は突沸です。カレーや中華飯、八宝菜などは突沸しやすいのでレンジ使用の際はお気をつけて下さい。
鈴木様
こういうのはメーカーも判断が難しいと思います。
カナヅチで叩いて割って「責任取れ」とクレームを言う人も居るので、原因を特定するのも非常に難しいのです。
出来れば、直後の庫内の状態をそのまま写真や出来れば動画で撮影していれば、残骸などから原因を見つけられたかも知れません。
※カフェオレボウルや中華丼の中身の状態が確認出来れば、原因も特定出来たかも知れません。
卵だけでは無く、イカ・オクラ・銀杏も爆発の原因になるそうです。
私見としては、中華餡の為、粘度が高く(水分が少なく)なっているのが要因に考えられるかも知れません。
同様に、小麦粉で粘り気の有るカレーなども危ないかも知れません。
良く、牛乳をマグカップに入れてレンチンすると、内部だけ沸騰して火傷するって話が有ると思いますが、アレが粘り気の高い餡の一か所で起きると、そこだけが異常に加熱されて爆発を起こす可能性が有るそうです。
レンジの底面は、セラミックなどで出来ていて、思った以上に衝撃に弱いので、陶器の容器を乱暴に入れても割れる可能性が有りますのでご注意下さい。
「突沸」という言葉が出てきました。字面を見るだけでも様子が想像できます。
突沸とは
温める食品が液体であれば、「突沸」は起きる可能性があります。しかも、食品を温める調理器具(電子レンジ、ガスこんろ、IHクッキングヒーター等)によらず「突沸」は起きています。しかし、「突沸」は、常に発生する訳ではなく、食品、食器や鍋、調理器具、加熱時間などの条件の組み合わせが重なった場合にだけ起こる現象です。
液体を温めると、温度が沸点(水であれば100℃)に達して泡が出始め、次第にブクブクと激しく出る状態となります。この現象が「沸騰」です。まれに、液体が沸点に達してもブクブクと泡が出ない状態になる場合があります。これを過熱状態(過加熱状態ともいう)といいます。そして、過熱状態の液体に何らかの刺激(振動や調味料を入れるなど)が加わると、突然、爆発するように沸騰し中身が飛び出ます。この現象を「突沸」といいます。
コーヒーや豆乳などの飲み物を急激に温めた場合、気泡発生の核となるもの(器の内側の凹凸、液体内の微細な固形物など)がないと、その液体の沸点を超えても沸騰しない過熱状態になります。そこに振動が加わったり調味料などが加わるなど何らかの刺激によって、突沸が発生します。
また、みそ汁やとろみがある食品は、対流が起きにくく、鍋の中に温度差が生じ、温度の低い部分が、過熱状態の部分の沸騰をおさえている状態になり、突沸が発生することがあります。
(国民生活センター「食品加熱時の突沸に注意」より引用)
私が温めたようなとろみのある食品ではありませんが、豆乳で突沸が起こる動画がこちらです。
動画のような、比較的さらっとした液体を温めて突沸が起きたことはこれまで経験したことがありませんでしたが、この動画を見て今回起きたことは誰にでも起こりえることなのだとわかりました。
結論・原因は突沸、今後この現象が起きないための対処法
卵が入っていない、とろみのついた中華丼の具を温め直したことで起きた現象は「突沸」ということで、今回の件は自分的には納得できました。
それでは、突沸が起きないようにするにはどうすればよいのでしょうか?
調べてみたところ、以下のような対策がわかりました。
一番重要なのは温め過ぎないこと
飲み物専用の温めボタンがあればそれを活用する
専用ボタンがない場合は控えめに温める
特にとろみのある食べ物(カレーや中華丼等)は注意する
とにかく、温め過ぎないことが重要なようです。
あれば温め専用ボタンを使い、なければ様子を見ながら控えめに温めるのがよいでしょう。
とはいえ、うっかり温め過ぎてしまうのはよくあることです。そんな時は慌てずに
step
1すぐに庫外に出さない
早く冷やしたいと思う気持ちで焦らないように
step
2砂糖や水・スプーン等を入れない
動かした時の衝撃で中の液体が突然あふれ出し、やけど等の被害が出る恐れあり
step
3加熱後は庫内に置いたままの状態で扉を開けず、1~2分待つ
確実に突沸しなくなる訳ではないがしの確率を下げることができる
という処置をしてください。
突沸で電子レンジの底が割れた経験がない方も、「こういうことがあるんだ」ということを知っていれば慌てないで済むと思います。
電子レンジの特性を理解した上で、安全に便利に使いたいものですね。
わかる様