我が家の子供たちはすでに20歳と16歳で、子供の成長とともに私が子供の親と付き合いをする必要がなくなってきました。
そもそも私はママ友付き合いが大の苦手。好きな友達ならいくらでも時間を忘れて話していられるのに、そうでない人とはピタッと「話題の引き出し」が開かなくなります。
要するに、ママ友付き合いが苦手というよりも 人づきあいが苦手 なのです。
だから最初の子供が入園する際はとても不安でした。それ以前にその頃はちょうど「公園デビュー」という言葉も盛んに言われていた頃であり、いかにママ友とうまく付き合えばいいのかが悩みの種でもありました。
そんな性格の私ですが、子育てが一段落した今、あの頃を振り返ってみて強く思うことがあります。それは ママ友付き合いが苦手ならばしなくていい ということ。
今まさにママ友付き合いで悩んでいる方にとっては「そんなことできないよ」と思うかもしれませんが、今の私だからこそ言えることでもあるのです。
ママ友って必要?
そもそもママ友って必要なのでしょうか?
初めての幼稚園・保育園生活を円滑に進めるためには、ある程度顔見知りのママがいたほうが断然楽になります。
例えば、入園当初は何もかもわからないことばかりで、子供に聞いたところで答えが返ってくるわけではありません。女の子ならしっかりしているので可能かもしれませんが、うちはやんちゃな男の子だったので期待しても無理。
忙しそうにしている担任の先生に聞くほどのことでもない、そもそも自分は人見知りで、時に活発な担任の先生すら「怖い」と感じることもあるほどだったし。
そんな時には顔見知りのママに聞くというのが一番ハードルが低いかもしれません。
顔見知りのママができると、園の行事もぐっと楽しくなってきます。話したことのないママたちに囲まれているよりも、多少なりとも楽しさを共有できる人が近くにいたほうがいいに決まっています。
しかしそれが次第にややこしい間柄に発展していったとしたら・・・
多少のメリットのために多大なデメリットが待ち受けているのだとしたら?
一番大変だったのは幼稚園の頃
これは実際に私が経験した話です。
上の子供が卒園し、1年あいて下の子が入園。今度は二度目なので私もさほど園生活に不安はありませんでした。
しかし入園して驚いたのは、その年に入園した園児の内、8割が初めての子供の入園 でした。これはなかなかないことだと思います。
私は入園したうちの「2割」組になり、自動的に「先輩ママ」として一線を引かれるようになりました。この時、8割の方たちの年齢はほぼ同年代、私はそこから一つ頭が出ている状態。
「園経験者」「年齢が少し上」ということで、8割のママたちから微妙にラインを引かれてしまったのです。
私に話す言葉はみな敬語(笑) いくらこちらがくだけて話していても、最終的には同じ年齢のママたちで固まります。これは正直楽しくはありませんでした。
でもそれから少しして、「あぁ、私は8割の中にいなくって良かった!」と心から思った出来事が勃発するのです。
それは5月。入園して一ヶ月が経ち、園児もママたちも園生活に慣れてきた頃です。
その月にあった保護者会の集まりで、園長先生が妙なことを話されました。
「子供たちのことは園にお任せください。何かあったら担任から連絡が行きます。担任から連絡がないということは、何も問題はないと思ってください」
この何気ない園長の一言に違和感を覚えました。上の子が入園した際も園長からの話を何度もうかがってきましたが、こんなことをわざわざ言われたことがありません。
どうしてこんな当たり前のことをわざわざ園長が言うの?
その時、まわりのママたちが少しざわつきました。目に見えてざわついたわけではありませんが、その場の空気が間違いなく動きました。
キョトンとしているのは私を含む「2割のママ」だけ。8割ママたちはみな静かに目配せをしていたのです。その理由がわかったのはずいぶんあとのことでした。
ちょうどその頃、携帯電話が主婦の私たちにも普及していた頃でした。LINEはまだありませんでしたが、8割ママたちはみなショートメールでやり取りする仲でした。
お互いに年齢も近いし子供の学年も一緒、これまで家や公園や児童館で子育てをしてきて、子供と一対一だったたママたちが、やっと人間らしい生活ができる場ができたのだと嬉しかったのでしょう。その気持ちはよくわかります。
しかし一歩間違えるとその関係性はあっけなく破綻します。
それはあるママが園に自分の子供を迎えに行った際、Aちゃんが園庭で泣いているのを見かけたことから始まります。
それを見たママはすぐにAちゃんのママにメール。実際にAちゃんが泣いている姿を目にしていないAママは、メールという文面だけの我が子の様子にひどく混乱します。
そしてその混乱はやがて怒りに変わります。子供を心配するゆえの親心なのでしょうが・・・その矛先は、泣かせたのでは?とされる子供とその親、そして幼稚園にまで及びました。
憶測が憶測を呼び、最終的に園に報告が入った時、そこにはもう真実などなかったそう。本来は日常の些細な出来事で、先生が保護者に連絡するまでもないような出来事までもが、こうして「大事件」に変わっていったのです。
それを受け、園長先生がわざわざ先ほどのような話をしたのです。
この話を知ったのは大分後になってからでした。私を含め2割のママたちは全く知らなかったわけですが、8割ママたちは大騒ぎになり、そこから「ハブられた」ママも出てきたほど。
長々と書いたこの話も、園生活では氷山の一角。私が知っているだけでもそうなのですから、実際にはもっとたくさんドラマティックなことがあったのだろうと想像できます。
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小学校は幼稚園に比べれば楽だったけど
幼稚園のママたちにすっかり辟易した私。小学校は幼稚園と違い年齢も様々で、さすがに園で経験したようなことはないだろうなと思っていました。
実際、何事もなく過ごした小学校生活ですが、今度は園児とは違い子供それぞれが個性を持って成長しています。そこで問題も起きるわけです。
幼稚園時代、2割ママで一線を引かれていたこともあって、一人でいることが苦痛ではありませんでした。そもそも嫌われているのではなく、彼女たちにとって「先輩ママ」はちょっと厄介だっただけ。
そういう立場での「ぼっち」はさほど辛くはありません。
しかし小学校の、それも高学年になってくると親同士ではなく子供同士のトラブルが増えてきます。それだけならいいのですが、やはり中には親が首を突っ込んでくるケースも。
幼稚園の時の厄介でしたが、いわゆるこの「モンスターペアレント」は違う意味でとても厄介でした。子供の言い分をすべて真に受けるのですから・・・
今の学校はこうしたモンスターペアレントになぜか甘く、その親が言うことを信じる傾向にあります。この傾向により、非常に不愉快な思いを何度も何度もさせられました。
中でもうちの近所に住むモンスターには本当に悩まされました。上の子供と学年が同じだったため、何かと巻き込まれることも多く、早く離れたいとずっと思っていました。
やがて皆がこのモンスターペアレントに気づいて、やっと長年の真実が表ざたになった頃には、私はすっかり学校に対する信頼を失っていました。
中学校からはグンと楽になる! 高校になればほとんどなし
そんな不遇とも言える幼稚園生活・小学校生活でしたが、中学からはグンと楽になりました。
中学はトラブルはなかったかといえば多少はあったのでしょうが、親が出ていくようなトラブルというのはありませんでした。良くも悪くも子供もうまく立ち振る舞えるようになったのでしょう。
高校生になればトラブルとは無縁。学校に出向く機会も少なくなるし、ママ友がいなくても困ることは何一つありません。
群れから孤立するとハブられる? それでもいいじゃない
私が子育て中に経験したママ友トラブルは、多かれ少なかれよくあることだと思います。幸いにも私は誰かからハブられるということはなく、好んで一人で過ごしていました。
でも不思議なことに、大勢で固まったママばかりが目立って気づきにくいのですが、自分と同じように群れることを嫌い、一人でそっと佇んでいるママもいます。
何かのきっかけでそういうママと話す機会を得て、自分の正直な気持ちを話せたりすると本当に楽になります。オアシスのようです。
実はそういうママは今でも仲良くてちょくちょくランチに行ったりします。LINEでも気軽に悩みを相談でき、いつの間にか園時代のママ友が 人生の友達 になっていました。
園生活は決して居心地がいいものではありませんでしたが、一生の友に巡り合えたと考えればあれもいい経験だったのでしょう。
今現在、ママ友の群れから抜け出したいと考えている方もたくさんいると思います。もしかしたら私が園ママだった頃より、今はLINEなどもあってさらにママ友付き合いは複雑になっているかもしれません。
それでも私は、ママ友付き合いが苦手ならしなくてもいい と言いたいです。ハブられたとしても長い目で見ればそれはほんの短い間のこと、それよりもメリットの方が断然多いです。
子供のために我慢するしかない? そんなことはありません。
もしかしたら園にいる間は苦しい思いをするかもしれません。幼稚園の頃は子供たちにも体力や体格の差があり、いじめられて泣かされて帰ってくることがあるかもしれません。
しかし断言できます。そういう子やそういう親はそれなりにしか成長しません。
子育て時期がひと段落した今だから言えることです。あの頃の子供たちのその後を知っているからこそ言えることでもあります。
振り返ってみるとそんな時期はとても短いもの。真っ最中の時には短いなどとは思えませんでしたが、今思えばほんの短い期間であとはママ友のわずらわしさに悩むことなく、自分らしくのびのびと子育てできたと思います。
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自由は寂しさと引き換え
とはいえ、ママ友に悩まないで済む代わりに「多少の寂しさ」は代償として払わなければなりません。
私はまるっきりの独りぼっちだったわけではありませんでしたが、精神的に常に独りぼっち でした。
これは性格的な問題でもありますが、仲の良い友達といても、夫と一緒にいても常に孤独感があります。この孤独感を自分の中で処理する方法として
「最後はみな独りぼっち」
という言葉を思い浮かべます。最終的には誰に頼ったり相談することでもなく、自分一人で受け入れなければならない、そう考えています。
少々壮大な話になってしまいましたが、ママ友の話に戻ります。
ママ友がいるメリットもたくさんあるでしょうが、それと同じくらい、いえそれ以上にデメリットがあると思います。
なぜそうなるのかと言えば、ママ友はしょせん職場の同僚のようなものだから です。
子供が同じ年齢でたまたま同じ幼稚園の同じクラスになったという縁で、その中で仲の良い友達ができるのは稀だと思います。多くは「子供のため」と割り切って付き合っているでしょう。
その集団の中で友達ができるほうが稀なのです。できなくて当然だし、もしできなくても自分を卑下する必要は全くありません。あなたのせいではないのですから。
もちろん、職場においても子育てにおいても、本当に気の合う友達が出来たらそれはラッキーなこと。人生に彩りを添えてくれることでしょう。
恐れずに群れから孤立してみると案外見えてくるものがたくさんある
先ほども少し触れましたが、あの頃私やうちの子供をいじめていた人やその子供たちは今どうなっているのでしょう。
私に対して常に攻撃していたモンスターペアレントは、独りぼっちになることを異常に嫌っていました。そのために常に顔にはひきつった笑顔を張り付かせて群れていました。
私はその群れには加わらなかったし、大概のことは自分の中で消化してしまっていたので相手にとっては攻撃しやすい対象だったのでしょう。それこそ自分のストレスを解消するかのようにされていた時期もありました。
ある時、腹に据えかねて「それじゃぁこれまでのことを全部言わせてもらうね」と前置きし、モンペの子供がこれまでしてきた親が知らないあれこれを話しました。
相手は目からうろこだったようです。それは自分の子供が陰で何をしていたか知ったからではなく、まさか私が相手にかみつくとは思ってもいなかったから です。
この件以来、この人が私を攻撃することは一切なくなりました。結局は弱い人だったのでしょうね。今でもいろいろな人のコバンザメになっているようですが、気の毒に感じるほどの噂が入ってきます。
その人の子供も、親が出てきて問題を解決できるのは小学校まででした。中学校は子供も少し狡猾になるので、親が出る幕もなかったようです。
いずれにせよ、子供は親が育てたようにしか育っていないし、親もまわりのママ友たちからはそういう扱いしかうけていません。
結局は自分を貫き通した者が勝ちなのです。
今、ママ友に悩み苦しい状態にいる方に伝えたいです。勇気を出してママ友の群れから抜け出してみてください。苦しい群れにいるよりも、一匹オオカミでいる方が息ができますよ。